みかも喫茶の店内デザインに込めた意図|居場所が機能するための8つの細部
「居心地のいい喫茶店」に入ると、なぜか気持ちが落ち着きます。注文したコーヒーの味だけが理由ではありません。居場所が機能するためには、設計の細部に積み重ねた工夫がある——これは、店をつくった経験を持つ方なら誰でも知っていることです。
本記事では、徳島・東みよし町のみかも喫茶の店内デザインに込めた 8 つの細部を、実際のお客様の使われ方とあわせてお伝えします。次の来店時にぜひ、これらの細部を確認していただきながらコーヒーをお楽しみください。
細部1:テーブルの高さ(70cm 標準ではなく、72cm)
カフェ業界の標準的なテーブル高は 70cm です。みかも喫茶では、72cm をベースとしています。たった 2cm の差ですが、コーヒーカップの取り回し・読み物のしやすさ・ノート PC を置いたときの肘の位置が、すべて少し楽になります。
「読書しに来るお客様」「ノート PC で作業されるお客様」が長居しても疲れにくいテーブルです。
細部2:椅子の硬さ(少し硬めを選ぶ理由)
「カフェの椅子は柔らかいほど良い」と思われがちですが、実は 適度に硬めの椅子のほうが長居が苦になりにくい——これは整体やリハビリ業界で広く知られた事実です。柔らかすぎる椅子は、姿勢が崩れて 1 時間後に体が疲れます。
みかも喫茶の椅子は、1〜2 時間座っても疲れにくい硬さを意識して選んでいます。「短時間で帰る客」を想定するチェーン店とは、設計思想が違います。
細部3:照明の角度(顔ではなくテーブル面を照らす)
天井からの直接光は、お客様の顔を上から照らすため、写真を撮ったときに影が強く出ます。みかも喫茶では、ペンダントライトをやや下げて、テーブル面が中心に照らされる配置にしています。
これにより:
- お料理の写真がきれいに撮れる
- 同席者の表情が柔らかく見える
- お一人で読書される方の手元が見やすい
細部4:窓の高さ(外の景色と店内の距離)
テラス側の窓は、座ったときに目線の高さに山並みが見えるように設計されています。立っている店員さんの目線ではなく、座っているお客様の目線が基準です。
これにより、「外を眺めながらコーヒーを飲む」という喫茶店の根本的な楽しみ方が、自然に成立します。
細部5:壁紙と床の色温度(暖色寄り)
店内の色温度は、全体に少し暖色寄りに設定されています。冷たい白い空間は、ホテルやオフィスにふさわしい色ですが、喫茶店は人の体温に近い色のほうが落ち着く——これも長く店づくりをされた方が共有する経験則です。
壁・床・木材・革——色温度のばらつきがほぼないため、長居しても目が疲れにくい構成になっています。
細部6:BGM の音量(聞こえる/聞こえないの境目)
会話を妨げない、しかし無音だと寂しい——その境目を意識して、BGM は「お客様が聞こうとすれば聞こえる」音量に調整されています。
時間帯により少し変えますが、基本的には人と人の会話よりも一段下の音量で、音楽自体を「目立たせない」設計です。
細部7:レジから席までの距離(注文後の動線)
注文してから席に着くまでの動線が、短くも長くもない距離——これも実は設計の対象です。注文直後にすぐ席に着けると、コーヒーが届くまでの待ち時間がやや長く感じます。逆に、席が遠すぎると面倒に感じます。
みかも喫茶では、注文後 10〜15 歩で席に着く距離を基準にしています。レジから店内を見渡してから、好きな席を選ぶ余裕がある距離です。
細部8:屋外ドッグランへの動線(飲食店とドッグランの両立)
「カフェにドッグラン」というのは、聞こえはいいですが設計の難所でもあります。匂い・衛生・ワンちゃんの動線・他のお客様への配慮——これらが両立するには工夫が必要です。
みかも喫茶のドッグランは、店内とは別の入り口を持ち、テラス席からのみアクセスできる設計です。お一人で食事されるお客様の席まで、ワンちゃんが直接来ることはありません。愛犬連れも、そうでないお客様も、両方が居心地よく過ごせる動線になっています。
「居場所」は、設計でつくられる
8 つの細部を読んでいただいて、いかがでしょうか。「居心地のいい喫茶店」というのは、決して偶然ではなく、長い時間をかけて積み上げた設計の集合であることが、少しでも伝われば嬉しいです。
次回みかも喫茶にお越しの際は、テーブルの高さ・椅子の硬さ・照明の角度——本記事で挙げた細部を、ぜひ実際に体感してみてください。「ああ、こういうことだったのか」と気づいていただければ、私たちの店づくりの励みになります。
最新の営業状況・メニュー・アクセス情報は公式アクセス案内でご確認いただけます。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. テーブルの高さや椅子の硬さは、どう決めたのですか?
A. お店をつくる前、複数の喫茶店・カフェを訪れて、長居して疲れない店・疲れる店の差を観察しました。多くの長居しやすい店に共通していたのが、テーブルの高さ・椅子の硬さの「微妙な違い」でした。それを参考に、私たちのお店に合う寸法を決めています。
Q2. ドッグランと店内が分離しているとのことですが、屋根はありますか?
A. はい、ドッグラン側にも屋根付きのスペースがございます。雨の日でもワンちゃんを走らせていただけます。詳細は公式アクセス案内からご確認ください。
Q3. 設計の意図を聞いた上で、どう過ごせばいいですか?
A. 普段通りでまったく問題ありません。設計の細部は「気にしなくても自然に居心地がいい」ようにつくられています。本記事をきっかけに、気持ちのいい場所がなぜ気持ちいいのかを意識するきっかけになれば嬉しいです。



