イェール大学出身のクラシックギタリストが、東みよし町の喫茶店で弾いた夜のこと|風間航 × みかも喫茶ライブレポート

4月11日の金曜日、みかも喫茶に静かな緊張が走っていました。

その夜、この小さな喫茶店で演奏するのは、風間航(KOH KAZAMA)。イェール大学で学士号、ストーニーブルック大学で音楽博士号(D.M.A.)を取得したクラシックギタリストです。東京とニューヨークを拠点に活動し、2025年から2026年にかけて北海道から沖縄まで全国を巡るジャパンツアーの真っ最中。その一夜が、徳島県東みよし町でした。

席は、満席。

山から届いた桜が、会場を変えた

ライブの前日、地元の田口農園さんが山から桜の枝を届けてくれました。みかも喫茶のスタッフがその桜を会場に飾ると、空間の空気がまるで変わった。照明を落とした店内に、桜の枝が静かに立っている。まだ音が鳴る前から、すでに特別な夜が始まっていました。

風間さんは、当初「さくら変奏曲」をプログラムの前半に予定していました。けれど会場の雰囲気を見て、暗くなってからに順番を変えた。日が落ち、照明に照らされた桜の中で「さくら変奏曲」が始まったとき——それは、夜桜の中にいるような時間でした。

プログラムを変えられるのは、その場の空気を読める演奏家だけです。風間さんは、みかも喫茶という空間を信じて、その場で判断した。これは大きなホールでは絶対に起きないことです。

クラシックギターの「構え」を、やさしくほぐす人

クラシックギターと聞くと、正座して聴くようなイメージを持つ方もいるかもしれません。風間さんのライブは、まったく違いました。

演奏の合間に、曲の背景や作曲家のエピソードをわかりやすく話してくれる。専門用語を使わず、目の前にいる人に向かって語りかけるように。音楽だけでなく、お人柄の魅力がたっぷり伝わるライブでした。

ライブ後、お帰りの際に「納豆が好き」という話から、にし阿波の発酵文化につながって、みかも喫茶から麹屋本家 阿波おんなさんの「しょいのみ」をお渡ししました。

世界レベルの技術を持つ人が、東みよし町の食材で笑い、この土地の文化に興味を持ってくれる。それがどれだけ贅沢なことか、その場にいた人は全員感じていたはずです。

なぜ世界を知る音楽家が、この町で弾くのか

風間航さんの経歴は異例です。

  • イェール大学(B.A.)——世界最高峰のリベラルアーツ教育
  • ストーニーブルック大学(D.M.A.・音楽博士号)——アメリカ有数の音楽プログラム
  • 東京とニューヨークの二拠点で演奏・教育活動
  • 2025-2026年ジャパンツアーで全国10地域を巡回

この経歴の持ち主が、なぜ東みよし町の20席ほどの喫茶店で弾くのか。

それは、小さな空間でしか生まれない音楽があるからです。クラシックギターはもともと繊細な楽器で、大ホールよりも親密な距離感のほうが本来の音色が活きる。演奏者の息づかい、弦をはじく指先の微細な動き、それが聞こえる距離。みかも喫茶のような場所は、クラシックギターにとって理想的な空間なのです。

そしてもうひとつ。田口農園の桜がある。にし阿波の食材がある。「しょいのみ」で笑える空気がある。音楽を受け止める「土地の力」がここにはある。

「音と人と空間が、心地よく重なった夜」

ライブ後、みかも喫茶のスタッフはこう振り返りました。

「音と人と空間が心地よく重なった、とても素敵な夜でした。」

これ以上の言葉は要らないかもしれません。

みかも喫茶は、東みよし町のガソリンスタンドの隣にあるドッグラン付きの喫茶店です。にし阿波の旬野菜でランチを出し、毎月マルシェを開き、地元の農家さんと一緒にこの町の食を届けている。そんな場所で、イェール大学で学んだギタリストが満席のライブをやる。

東みよし町は、そういうことが起きる町です。

風間航さん、桜を届けてくださった田口農園さん、そしてご来場いただいた全てのお客様に、心から感謝いたします。


風間航(KOH KAZAMA)
クラシックギタリスト・音楽教育者
D.M.A. ストーニーブルック大学|B.A. イェール大学
Instagram:@kohkazamaguitar
公式サイト:kohkazama.com

みかも喫茶
〒779-4703 徳島県三好郡東みよし町加茂3214-1
電話:0883-87-8811
営業時間:10:00〜17:00(火曜定休)
Instagram:@mikamokissa

みかも喫茶では、音楽ライブ・ワークショップ・マルシェなど、地域の文化イベントを定期的に開催しています。イベント情報はInstagramでお知らせしています。

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